障害者アートは人々に優しい印象と癒しをもたらす
障害者アートの定義と主な目的について
一般的に障害者アート (障がい者アート) とは、身体的な障害のある人たちが創作するアート作品のことを指します。アートとは英語で「art」と表記し、アートに関連するワードで日常的によく使われる言葉では「アーティスト」「アーティスティック」という表現が使われます。
感情表現や精神的な価値の創造などの活動や、そのような内容が込められた絵画作品も含めて「アート」と言い、彫刻・絵画などの芸術的な作品や、映画・動画・踊り・建築など、さまざまな表現手法があります。多彩なアートが存在していますが、創作意図や目的には人それぞれさまざまな違いがあります。
絵画や彫刻などの芸術作品を多くの人に見てもらい鑑賞することを目的とするケースもあれば、コンクールに参加して入賞することを目的として創作する人もいます。
一方、障害者アートの主な目的は障害者による芸術作品の創作活動や文化活動を通じて社会参加の活性化を図り、障害者に対しての理解を深めることにあります。全国各地で障害者アートの展示会や個展が積極的に行われており、厚生労働省ではこの取り組みを全力支援しています。
障害者アート作品の心理的な効果について
今話題もちきりの障害者アート作品には、どのようなメリットが期待されるのでしょうか。
障害者による絵画や彫刻などのアート作品を自宅やオフィスに飾っておくことによって、「気分転換になり癒された」「心地良さを感じられるようになり、イライラ感やモヤモヤした気分が吹き飛んだ」「職場特有のギスギスした雰囲気や息苦しさ、不快感が軽減された」という人もいます。障害者アートには他の芸術作品にはない魅力があり、人々の心をなごませる存在となっていることが読み取れます。
ストレス社会とも呼ばれる現代では、障害者アートを鑑賞することにより、人々の心を和ませるメンタルケアの心理的な効果が期待されます。障害者アートの創作や普及推進活動に取り組むことによって、社会貢献を果たすこともできます。
商業ベースに乗ったアート作品とは異なり、純粋無垢で独特の表現力のある障害者アートは、観る人に対して優しい印象を与え、癒しをもたらすのが大きな魅力です。